熱血・目ヂカラ3歳児“ルキぼん”の “THE・コドモ”な言行録

KOJI-KOJI 著

★主な登場人物★
ルキぼん:この言行録の主人公。熱血型で、目ヂカラがギラーンと強い3歳児。ウルトラマンと怪獣に人生の8割を捧げている“THE・コドモ” 1月11日生まれ。血液型O型。干支はイノシシ。
ダジラ:ルキぼんがいつも持っている怪獣フィギュア。ルキぼんの「念」が強いためか、時々動く。
りょうま:ルキぼんの3歳上のお兄ちゃん。クールな美形で、沈着冷静。水色をこよなく愛する。
パパ:この言行録の著者。この頃は、日々激務にいそしむサラリーマン。

10月4日
近所の丘のてっぺんに登ると、決まって、ギラーンと光る巨大な眼で、下界に広がる街並みを見下ろし、「これがオレの世界だぁーっ!!」と叫ぶルキぼん。彼の眼に世界がどのように映っているのかはナゾ。

3月10日
公園で、群れ集まるハトに興味津々のルキぼん。大きな目でじーっと見つめていたかと思うと、ダダダーッと駆け寄る。ハトが飛び立つと、手を十字に組み、「スペシウム光線、ビーッ!!」
そして私を振り返り、一言。
「パパ。ビームが効かない…」
ビームが出てない、とも言うんですけど…。

5月16日
長男りょうまの誕生日プレゼントを買いに、お台場のトイザらスへ。なぜか全然関係ない次男ルキぼんが「ウルトラマンタロウ! ウルトラマンタロウ! ウルトラマンタロウ!」とエンドレス・テープのごとく叫び続けるので、ウルトラマンタロウのフィギュアを買うはめに…。

5月25日
幼稚園に通い始めたルキぼん。朝、家を出る時には「遠いからキックボードで行く!」…それは禁止。怪獣フィギュアを握りしめ「ダジラも連れて行く!」…それも禁止。そして通園路の途中で「ボク、忍者!」と叫んで狭い狭い路地に入り込む(追跡不可能)。そして「オシッコ!」と叫んで見知らぬ民家に飛び込みトイレを借りる。そして「暑い。疲れた。パパ押して」私、後ろから背中を押し坂道を登る…。最後、園長先生が入り口で「ルキちゃん、おはようございます」とご挨拶するも、ガン無視して園内に駆け込む(私、謝る)。…会社に行く前に、すでに疲労困憊。

5月28日
ルキぼん、兄りょうまとジャンケンする時に、必ず「後出し」する(1秒ぐらい)。そして、何故か必ず負ける。そして「パパァ~ッ!! お兄ちゃんがズルするぅ~っ!!」と泣き叫ぶ…。この者に社会秩序を教え込み立派な大人に育て上げるのは、アポロ計画以上の難事業であろう。

5月31日
ルキぼんと戦いゴッコ。彼がウルトラマンタロウ、私が怪獣で、戦うのである。
「ゼットンだぞ、ガオーッ!」
「そんな強いかいじゅうはダメ! 弱いのにして! ピグモンとか」
ピ、ピグモン…仕方がないので、
「ピグモンですよ。ピグモン・ビーム!」
「ピグモンはビームしないよ! パンチとキックだけ!」
「パンチ! キック!」
「パンチやめて! キックもやめて! そのままじっとしてて!」
そして、じっとしている私に、パンチ・キックを雨あられと浴びせるルキぼん…こ、これは戦いではなく、一方的な虐待ではなかろうか?

6月1日
今朝、起きて居間に行ったら、先に起きてたルキぼんに「おはよう、ベイビー」と言われました…。

6月3日
ルキぼんを幼稚園に送って行く道中、相変わらずモッタリモッタリ歩いているので「お~い、ルキぼん、も少し速く歩きんさいよ」と急かしたら、「ワシももう歳ぢゃからのぅ、ヘイコラ、ヘイコラ」…ますますつのる将来への不安。

6月5日
今更ながら気づいたが、ルキぼんは笑う時、「んに゙ゃあはははは〜!」と笑う。この「に゛ゃ」がポイント♥…ってそういう問題ではない。

6月8日
幼稚園への送りの道中。ルキぼんが道端の花壇の前で立ち止まり、「パパァ、花はいいねぇ」と言うなり、いきなり花をむしって口にくわえ「花のみつ、吸う。チューチュー」。その後、2つ3つと花をむしっては吸い、むしっては吸い、「チューチュー、こっちはマズい。チューチュー、こっちはもっと甘い」と品評。通りがかりのお巡りさんに「(笑いをこらえつつ)花をむしっちゃダメだよ」と注意を受ける。
「パパァ、花はホントにいいねぇ」
…何ともお答えしようがございません。

6月21日
幼稚園への送りの道中、ルキぼんが街中で、
「パパァ、すりーないん(『銀河鉄道999』のこと)の始まりの歌、唄って♪」
「公共の場では唄わん。人が大勢いて恥ずかしい」
「じゃあ、まいける・じゃくそんの『すりらー』唄って♪」
「だから公共の場では唄わん」
「じゃあ、ウルトラマンタロウの歌、唄って♪」
「だから公共の場では唄わんと言うとろうがあああっ!! くきぇえええええっ!!!」
「ちぇっ、つぅまんねぇのぉ~」
微笑ましい親子の会話…。

6月22日
長男りょうまの将来の夢は「生物学者+冒険家」。健全でよろしい。
次男ルキぼんの将来の夢は「団子虫」。…楽しそうだから、とのことです。

6月26日
ルキぼんが折り紙で「テレビ」を作りました(彼は“テウェビ”と発音)。うむ、素晴らしきクリエイティビティ…。
問題は、ルキぼんの「パパ、このテウェビで観て! 他のテウェビで観ないでね!」との御命令により、延々30分もそれを見つめ続けていなければならなかったことである(ルキぼんが横で監視…)。

7月8日
ルキぼん、将来の夢「団子虫」が、「忍者」に変わりました。
「団子虫」をやめた理由は「人間に捕まるから」だそうです。
「忍者」に変わった理由は「足が速いから、ドロボーから逃げられるから」だそうです。
息子よ、泥棒は逃げるものではなく捕まえるものだ。
…まぁ虫から人間に変わっただけでも、まずは良しとしよう。

7月14日
ルキぼん、兄りょうまと、「ウルトラマン怪獣バトル」という対戦型オモチャで勝負した。人生の8割ぐらいをウルトラマン&怪獣に捧げているルキぼんは、全身全霊の情熱でもって勝負に挑んだが、10回やって10回とも負けた。ルキぼんが子供部屋を飛び出してきて、私の傍らに突っ伏すと、ビイイイッ!と号泣した。
「ルキぼん、悔しいか?」
私が優しく慰めると、ルキぼんは大声で絶叫した。
「く、くやしい!! おのれ、りょうまめぇっ!! 大きくなったら、ぶちのめしてやるうっ!!」

…私は、とても、恐ろしい。

7月22日
三連休、旅行先で、炎天下、長男りょうま・次男ルキぼんの相手をし、プール・サッカー・ボートこぎ・サイクリング・鬼ごっこ等々をやってたら、カロリーを消費しすぎて体重が減りアバラが浮きました(ひー)。昨日あたり、ようやく回復。でも今週末も息子たちとフィールドアスレチックに行く予定(予報は猛暑…あのー、僕ちゃんも、一緒にやらなきゃダメなのかしらん?)。

8月11日
ルキぼんは、時々、瞬間的にIQが上がるようである。
「ルキぼん、2+3は?」
「7!」
「4+3は?」
「5!」
「う~む…では、5×7は?」
「35!!」
うおおおおっ! て、天才だっ!!
「よぉし、では、1+1は!?」
「11!」
…んにょ。

8月20日
長男りょうまと次男ルキぼんが遊んでて、りょうまのキックが、間違いでルキぼんの鼻に命中し鼻血が出た。りょうまが慌てて「ごめんね」と謝り、ルキぼんが「いいよ★」と許し、この件は終わったはずだったが…。

「あのね、りょうまがね、ルキオの鼻を蹴ったの」

まずルキぼんは、私にチクった。
その後、キッチンにいるママのところに行き、
「あのね、りょうまがね、ルキオの鼻を蹴ったの」
その後、千葉の実家から訪ねて来た義父にも、
「あのね、りょうまがね、ルキオの鼻を蹴ったの」
その後、皆で出かけるべく、マンションの1階に降りた時、マンションの管理人にも、
「あのね、りょうまがね、ルキオの鼻を蹴ったの」
その後、街中でも、行き交う通行人たちに、
「あのね、りょうまがね、ルキオの鼻を蹴ったの」
「あのね、りょうまがね、ルキオの鼻を蹴ったの」
「あのね、りょうまがね、ルキオの鼻を蹴ったの」
そして、皆で入った寿司屋の板前さんにも、
「あのね、りょうまがね、ルキオの鼻を蹴ったの」

「ル、ル、ルキぼん、怖いよおぉぉっ!!!」
弟の執念深さに、りょうまがおびえ、号泣。
…私も、とても、恐ろしい。

8月23日
ルキぼんとのバスタイム。鼻歌でThe Beatlesの“Yesterday”を唄っていたら、ルキぼんが、
「その歌、すげーカッコいい! 空から聴こえてくるみたい。んに゛ゃっ!!」
人類普遍の価値は、この怪獣小僧にも理解しうるものだと知る。

8月29日
週末、池袋サンシャインの「ウルトラマン・フェスティバル」に行きました。
妻が疲労でダウンし(原因:日々の子育て)、私ひとりで、長男りょうま(6歳)・次男ルキぼん(3歳)という2匹の怪獣(特にルキぼん)を連れて行きました。
山手線に乗る時、ルキぼんが「わあああああっ!!新幹線だあっ!!」と叫び、周囲の人々の奇異なるものを見る目にさらされました。
電車のシートは満席でしたが、ルキぼんが若い女の子の前に立ち、「ルキオ、座りたい…」と言って、巨大な眼でじーっと睨んだら、女の子が逃げるように立ち去りました。
人生の8割をウルトラマン&怪獣に捧げているルキぼんは、会場に着いた途端、制御不能になりました。怪獣ダジラのフィギュアを握りしめ「んに゛ゃあああっ!! んに゛ゃあああっ!!」と叫びながら会場を走り回り、宇宙恐竜ゼットンの着ぐるみを見つけると、
「おのれゼットン、これでも食らえ!! スーパー・ルキオ・キック!!!」
と叫んで、蹴りをぶちかましました。私は他人のフリをしました。
心おきなく遊び狂った末に(私以外)、家路に着きました。帰りの電車でも、ルキぼんの目ヂカラで、若い女の子が逃げ去ったので、座ることが出来ました。電池が切れたルキぼんは、そのまま爆睡し、私は彼を背負いながら、駅から自宅(坂の上)まで歩きました。
家に着いた途端、充電完了したルキぼんがギランッ!と目を覚まし、
「パパ!! ウルトラマンと怪獣の絵を描いて!! 100枚!!」
12枚まで描いたところで、私の電池が切れました。

9月6日
2学期が始まり、久しぶりに、ルキぼんを幼稚園に送った。
通園途中、ルキぼんが、巨大な眼で、道路わきの側溝の中をじーっと覗き込んで言う。「パパ!! この下を、妖怪が時速70キロで走ってるよ!! 僕は時速40キロでしか走れないから、妖怪が出てきたら、捕まっちゃうね!!」
…息子よ。ウサイン・ボルトでも時速37キロぐらいだぞ。
てゆうか、いったい何が見えてるのかしらん!? ひー。

9月18日
赤坂氷川神社の夜祭り。ルキぼんが金魚すくいに闘志を燃やすも、
「ダアアアアアッ!!」
と一気に網を突っ込み、あえなく惨敗。再トライするも、私が、
「いいか、ルキぼん、まずは紙が破れないように、端っこから…」
とアドバイスするそばから「ダアアアアアッ!!」と突っ込み、またしても惨敗(その横で、クールな長男りょうまが冷静に黙々と17匹の金魚を捕獲)。
…ルキぼん、地面に突っ伏し、号泣。
「く、くやしいっ!! ルキオ、何やっても負けるんだもん!! ちくしょう! ちくしょう!」
まるで劇画のように拳で地面をガンガン叩いてくやしがるルキぼん。

…私も、こんなふうに、熱く生きてみたい。

9月20日
ナイーブな長男りょうまは、ママに叱られたり、弟のルキぼんとケンカしたりすると、布団とクッションとちゃぶ台を組み合わせて「巣」を作り、その中にこもる(これを我が家では『りょうまの巣ごもり』と呼んでます)。
しかし10分ほど経つと、退屈したルキぼんが「おーい、りょうま、出てこーい!」と騒ぎ出し、「帰ってきたウルトラマン」のテーマソングを唄いながら、巣を壊し始める。
それでケンカになり、りょうまがまた新しい巣をつくる…終わることなきメビウスの輪。

9月22日
今日から伊豆へ旅行。ルキぼんが叫ぶ。
「キックボードで行きたい!!」

・・・伊豆に着く前に休みが終わってしまうぞぇ。

9月23日
伊豆の朝。おぉ息子たち、この青く美しき海をご覧!!
ルキぼん「パパ、サメいるかな、サメ! んに゛ゃはははーっ!!」

…息子には感受性豊かな人間に育ってほしい。

9月24日
昨日は伊豆の海でシー・カヤック(2人乗り)を楽しんだ…が、一緒に乗った長男りょうまが「疲れた」と言って全然漕がず、私一人で延々2時間漕ぐはめに。おかげで今日は筋肉痛…。
今日の予定は魚釣りなので、肉体を酷使することはあるまい。
ルキぼん「パパ、クジラを釣ろう、クジラ!!」
…………。

9月25日
昨日、渋滞の中、7時間かけて伊豆から帰り(ひー)、今日は東京タワー下のグラウンドで長男りょうまのサッカーの試合。大人も参戦必(すなわち私も)。肝心のりょうまは「飽きた」と言って途中で退場、何故か私だけが2時間走り回るはめに。存在の耐えられない軽さを感じる今日この頃…。

10月5日
今朝、ルキぼんを幼稚園に送りました。
「パパ~、疲れたから、タクシーで行きたい。んに゛ゃ!」
「何を言う。3歳児が“疲れた”などと言うでない……てゆうか、まだ1日が始まったばかりだろうが!」
小雨が降ってたので、私は右手で傘をさし、左手でカバンを持ち、そのカバンの端っこをルキぼんが持って歩いておりました…が、途中でカバンが急に軽くなったので、見るとルキぼんがおらず。ど、どこだ、ルキぼん!!
その時、はるか後方で声がしました。

「タクシーッ!!」

見るとルキぼんが手を上げて、タクシーを止めておりました。
…もうすぐ幼稚園の運動会だから脚力を鍛えようではないかという話で納得していただきました。

10月9日
奥方の実家の母屋(築150年の日本家屋)で肝だめし。真っ暗闇の中、長男りょうまは私にしがみつきながらブルブル震えているのに、次男ルキぼんは、怪獣ダジラのフィギュアを握りしめ、巨大な眼をギラギラさせながら、先頭をズンズン突き進んで行く。
「おーい、ルキぼん、怖くないのか?」
「ダジラが一緒だから怖くないのだ。ここで逃げたら、ルキオの負けなのだ!」

…か、かっこいいじゃないかぁ、ルキぼん!!

10月14日
明日はルキぼんの幼稚園の運動会。ルキぼん、燃えている!
「パパ! ルキオ、明日は時速40キロで走るからね!」
ウサイン・ボルトは時速約37km。

10月15日
雨天につき、幼稚園の運動会が明日に順延になったことで、ルキぼんの行き場のない闘志が炸裂!
「パパ、戦いゴッコやろう! ルキオ、ウルトラマン! パパ、ピグモン!」
ピグモン=無抵抗と同義なり。

10月16日
今日は幼稚園の運動会。ルキぼん、かけっこに挑む。ヨーイ、ドン!
おお、速い! 他の子たちより二回りぐらい小さいのに、なんと一番でゴール!!
…と思いきや、ゴールテープの前でピタリと止まり、テープの下をくぐろうとするではないか! ルキぼん、テープは切っていいんだよおおおっ!!

何はともあれ速い。

10月22日
児童館のワンパク祭り。次男ルキぼん、「スーパーボールすくい」に闘志を燃やす!
しかしチケット(どんぐり20個)を渡して網(紙製)をもらうや否や、水の中に「ダアアアアアッ!!」と突っ込み、あっさり玉砕。そして号泣。こ、これでは、いつかの金魚すくいと一緒じゃないかぁ…。
「ルキオ、ボクがもう一度やらせてあげる」
長男りょうま、なんと自分の分のどんぐりを分けて、弟にワン・モア・チャンスを与える。ルキぼんが、新しい網をもらって、また水の中に「ダアアアアアッ!!」と突っ込もうとするのを、りょうまが制し、静かに教え諭す。
「いいかい、ルキオ、できるだけ、おわんを水面に近づけて、網はこの面を上にして、斜め60度の角度で静かに入れて…」
「ルキオ、おっきいのが欲しいんだよねー」
「大きすぎると、網が破れるからね。適当な大きさのを狙おう」
ルキぼん、スーパーボールが欲しい一心で、真剣に兄の教えに耳を傾け、そのとおりにやってみたところ、見事、3個のスーパーボールをゲット!
「ヤッタァ!! ルキオ、自分のチカラで、3個も取ったあっ! 嬉しい! 嬉しい!」
歓喜の雄たけびを上げるルキぼん。
その脇で、りょうまは黙々と冷静に17個のスーパーボールをゲット(この後、『輪投げ』と『宝釣り』でも100発100中で賞品をゲット……こやつ何者ぞ)。

10月24日
幼稚園への送りの道中、ルキぼんとの会話。
「ルキぼんの将来の夢は?」
「ウルトラマンタロウになって、りょうまを踏み潰す!」

…お兄ちゃんに「スーパーボールすくい」のやり方を教えてもらったのを、もう忘れたようです。

11月28日
次男ルキぼんと長男りょうまの会話。
「勝負だ、りょうま! 変身、シュワッチ!」
「ルキぼん、変身ブレスレットもないのに、どうやって変身するんだい?」
「ふっふっふ、ブレスレットはな、中国に置いてあるのだ!」

…なぜ中国?

12月4日
ルキぼんと近所のお寺の境内を散策。ルキぼんが叫ぶ。
「パパ! あそこに女の人が浮かんでるよ。パパのこと見てるよ。優しそうな人だよ」

…“優しそう”というのが、まだしも救いざます。

12月11日
ルキぼん、折り紙で「キノコ」が折れるようになって大喜び。毎日毎日「キノコ!キノコ!」と叫びながら大量のキノコを折り、家じゅうに貼っていく(剥がすと怒る)。現在計37枚まで増殖中。まだまだ増える見込み…。

12月15日
幼稚園への送りの道中、ルキぼんが地面を指差し叫ぶ。
「パパ、ブラックホール! 逃げないと、吸い込まれるよ!」
「息子よ、あれはマンホールというものだ」
「マンホールは、何を吸い込むの?」
その時、行く手に、絶妙のタイミングで、マンホールに入っていく作業員を発見。
「パパ! あの人、吸い込まれてる!」

……息子よ、あれは自分から入っているのだ。

12月15日
夜、帰宅すると、クリスマスツリーが出ていた。ルキぼんが叫ぶ。
「パパ見て! サンタクロース!」
いやこれサンタじゃなくてクリスマスツリーだから。どう見ても人じゃなくて木でしょ。

…ちなみにこのツリーにも、ルキぼん特製・折り紙キノコが増殖中。

12月19日
幼稚園への送りの道中、ルキぼんからの質問。
「パパ、『きずな』って、なぁに?」
…おぉ、なんと美しい質問! ここは、この怪獣小僧の人間精神を育む、またとないチャンス!
「息子よ、『きずな』とは、父が息子を愛する気持ち、兄が弟を守りたいと思う気持ち…」
そんな話を1分47秒ほど聞かせていたら、突然ルキぼんが叫んだ。
「分かったよ、パパ! あのねぇ、ウルトラマンネクサスがねぇ、『きずな』に誘われたんだよ!」
ウルトラ……ほえっ?
「それでね、光の戦士になってね、暗黒神ガタノゾーアと戦ってね、スーパービームで…」
そして延々ウルトラマンの話が7分52秒ほど続き、
「だから、みんなね、ウルトラマンティガに感謝しなくちゃダメなんだよ。聞いてる? パパ!」
「…ハイハイ、聞いてますよぉん」
「ルキオ、しゃべりすぎて、疲れた……パパ、押して」
そしてルキぼんの背中を押しながら、幼稚園へと続く坂道を登りました。

…ウ、ウルトラマン、助けてぇっ!!

1月1日
年末年始。実家にて。ルキぼんが遊ぶオモチャは全てウルトラマン&怪獣。読む本も全てウルトラマン。観るDVDも全てウルトラマン。聴く音楽も全てウルトラマン。自分で描く絵も、私に「描いて!」とせがむ絵も全てウルトラマン&怪獣。会話の内容も全てウルトラマン。そして「ルキちゃん、大きくなったら何になりたい?」という大人たちの問いかけに、返す答えは「ウルトラマンタロウになって怪獣をやっつける!! んに゛ゃあっ!!」

…迷いがない、幸福な人生。

1月3日
りょうまとルキぼんが兄弟げんか。
りょうま「オマエなんか、チビだし弱いだろー」
ルキぼん「なにおっ、これでも食らえ! スーパー・ルキオ・パンチ!!」
ルキぼんの右ストレートが、じつにキレイにみぞおちにめり込み、りょうまは悶絶した。
ルキぼん「……ゴメンね、りょうま」
りょうま「ゆ……許さない! 明日まで許さない!!」

明日になったら許してやりなさい。

1月4日
スケートリンクにて。長男りょうまは、まだ人生で二回目にも関わらず、器用にスイスイ滑ってます。ルキぼんは、私にしがみついているにも関わらずツルツル転び、業を煮やして雪だるまを作り始めてます。

ルキぼんや、スケートリンクで雪だるまを作っちゃダメだぞぃ。。。